(○月●日)

彼には好きな人がいるらしい。

そしてその彼女はもうこの世にはいないらしい。

事故か病気か詳しいことはわからない。

なにそれ?そんなのありですか?

年をとらず、キレイなまま彼の心の中でこの先もずっと生き続けるであろう死んでしまった彼女。
文科系メガネショート女子の私が入り込むスキなど1ミクロンほどもないではないか。
昨日の今日で即失恋。絶望した。

「みのり、悪いことは言わないからやめときな」

“死んだ彼女“の情報提供者で、私の唯一の親友である鈴木詩織が心配そうな表情で言う。

言われなくてもそのつもりだ。

忘れよう。寝て忘れよう。




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