気を緩めればバラバラに飛び散ってしまいそうな思考を総動員して
これからどうするべきか考える。
そう言えば隣の敷地に住んでいるこのアパートの大家の娘が霊感が強いと聞いたことがある。
さっそく連絡しようと思ったその瞬間、玄関先に人の気配を感じた。

インドの民族衣装、サリーのようなゆったりとしたシルエットの濃紺のワンピースにジーンズ姿の少女。
右手にはブラックオニキスだろうか、黒光りする数珠が握られている。
オレの記憶が正しければ彼女が大家の娘だ。



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